winter again
みなさんこんばんは!
ピッタリと寄り添って寝る喜びシスターズです。
ウチの猫はテンだけがメスだから彼女も喜び組に入りたいみたい。笑
さて、あたしは腰が痛くて歩くのもピョコピョコなので最近はあまり農場には行っていません。
仕事はしてるけど、デスクワーク中心です。
でもそりゃたまには行かなきゃないこともあるし、あたししか出来ないことで依頼があると頑張らなきゃな気持ちになって鼻息荒く車を走らせたりもします。
豚を助けられたら嬉しいし、管理方法を変えてみるとか提案して納得して貰ったらやっぱり嬉しい。やりがいを感じます。
逆にどうしてもやり切れない気持ちになることもあって、例えば、消耗した豚を見た時とか、悲しい気持ちになります。
豚って、鳴き声がうるさい動物なんだけど、具合悪いと静かなの。
「たすけてー!キー!」とか言わないの。
静かにうずくまってたり、震えてたりするんです。
それが肉豚なら抗菌薬を使ったり暖めたりして治療をしてあげられるけど、母豚だと原因が感染じゃなく「消耗」だったりするからケアはとても難しくなります。
あたしの担当農場には規模の大きなところもあって、中には「太れない母豚」とかもいます。
豚って妊娠114日で出産して3〜4週間授乳して、離乳の5日後くらいに発情が来るから、また交配になります。この「回転」が早ければ早いほど利益になるワケだ。
でもさ、出産とか授乳とか、やっぱり大仕事でしょう?母豚は痩せたり太ったりしながら文字通り身を削って子豚を生むのよね。
授乳でガリガリになった母豚達のいる豚舎を歩きながらある歌詞が浮かんで来て、後から調べたらGLAYの「winter again」だったんだけど、その歌詞がね、
「生まれた町のあの白さをあなたにも見せたい」
だったの。
いや、別に豚達に宮城の雪を見せたいわけじゃなくてね、ただなんて言うか…圧倒的だと感じたと言うことです。
圧倒的に受け身だな、って。
この、60センチ幅のストール(1頭ずつの柵)からずうっと出られないんだな、有無を言わせず交配されて、子豚を生んで、こんなに痩せて、またすぐに妊娠か、って。
圧倒的だなと。
外の世界を見せたいな、って思った。
季節が変わって行くのを、生き物らしく、その香りを感じさせてあげたいな、と思ったのよ。
まだまだ動物的な小豆ちゃんが何かある度言うの。
「ママ、嬉しい、嬉しい」って。
きっと言葉が話せたら、豚もこんな風に純粋に、「あぁ、嬉しい、嬉しい」って思うんだろうな。
多分さ、動物の感情ってシンプルだと思うのよ。
「楽しい」とか「嬉しい」とか「怖い」とか「悲しい」とかさ。
もともと感情ある動物の豚達が「楽しい」って思えることは、この生活でどれほどあるんだろう。
あたしにはどれくらい提供できるんだろう。
その日、横になって毛羽立った母豚がいて、様子がおかしいなと思って後ろに回ったら小さな子豚をポロポロ流産し出して、あたしは検査に出そうと思ってその胎仔を集めようと掴んだんだけど、まだ暖かくて、なんだか涙が止まらなかった。
お腹の中で死んじゃった子豚達。
震えながら静かに流産して、お腹をさすると脚をあげて「もっとさすって」と求める母豚。
苦しいなぁ。って思った。
赤ちゃんも、お母さんも、あたしも。
あたしが美しいって思う景色を、豚達にも見せてあげたい。せっかく付いている素敵な鼻で土を掘らせたり巣づくりをさせてあげたい。
あたしはこんなにも彼女らの人生を搾取して生きてる。
豚に生かされている。
…あたしはこの日、とても苦しかった。
この会社で必要とされたい、って思う一方で、なんだかとても孤独な感じがして。
出口の見えない感じが、閉じ込められた母豚と重なって。
…なんて言ったら豚に「甘えんな!」って言われちゃうだろうけど。
そうね、クヨクヨ甘えずに豚の処遇改善に尽くすべきよね。あたしにはペンも口もあるし。
泣いたり笑ったり、豚に励まされながら働いています。
豚達みんな、どうもありがとう。
みなさんもお肉をいただく時にはちょっとだけ振り返ってみて下さいね!
どんなお肉もみんな、命だってこと。
牛乳も卵も、命なんだと。
尊くて美しい命をいただくのだから、相応しい生き方をしなきゃいけませんね。
…と、自分を戒めています。笑
では今夜はこの辺で!
みなさん よい週末を。おやすみなさい(*^o^*)
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